記録的大雪の高崎線から奇跡の生還!?
朝から雪が舞っていたものの、京橋の会社にいるときはただ黒く濡らすのみだったが、銀座線から上へ出ると、歩道は薄っすらと白くなりだしていた。たぬきうどんを食べてさっさと上野駅へ戻る。
電光掲示の時刻表を見ると、ホームライナーとあかぎは運休となっていたが、遅れも殆どなかったために前橋までの乗車券とグリーン券を買ってホームへと行く。ホーム上は大混雑、大混乱していた。それは、常磐線が事故で1時間ほど遅れていたせいだった。混雑したホームをうろうろとしたが、無難に19:06の前橋行きを選ぶ。ホームは遅れている18:14発の小金井行きを待つ人であふれ、私は自販機脇に居場所確保する。
ホームライナーと特急がなく、雪ということで高崎線も混雑はしたが、運良くグリーン車にシートを確保する。遅れていた常磐線の列車の発車を待ち、20分ほどの遅れで発車する。混雑は大宮辺りまで、グリーン車の通路まで人が乗ってきていたが、熊谷あたりで一段落。そこからは空いてきて、車内は暖かく居心地は良い。
前橋に9時半ころ着くであろうから、駅前でラーメンでも食べて帰ろうか。新町駅に到着した頃は、そんな風に考えていた。新町駅は貨物の側線が何本も残り一面が白い。少し雪はおさまってきたのかと、眺めていると駅前の該当の辺りは、斜めに雪が降っていた。まあ、前橋駅からは歩けば良い。そんな感じだった。
ところが「信号がおかしくないですか、なにかありましたか」「いや、分からない」「じゃ、少し様子を見ましょう」などという乗務員の会話が、たまたま車内に流れた。
そして、「信号機故障で発車をみあわせる」などと正式アナウンス。
それでも、上野、新町間は遅れもなく走ってきたのだから、そんなに不安はなかった。30分ほどしたころ、車掌室もトイレも近い座席に一人がやってきた。グリーンアテンダントから飲み物と何かつまみを買って、くしゃくしゃ、バリバリと食べだす。そして、時折、グリーンアテンダントを呼んで「いつはしるのか」などと聞いている。そんなことが分かれば、正式に車内放送があると思うのだが。
そのうちに「こんなことなら新幹線にすりゃ良かった」などと独り言。そんなことを言っても仕方がない。後悔先に立たずである。私だって、あの時間に大した遅れもなく前橋行きに乗れたのは、最良の判断だと思っていたのだから。
あまりにその人がうるさいので、私はこのまま温かい電車の中で、一晩を明かしても良いかと考えていた。ただお腹が空いてきたので、夕飯と、たばこを吸う場所さえあれば…などと甘く考えていた。
一時間ほど経ったのを区切りに車外に出てみる。ホームには数人が同じ様に出て一服していた。特に会話はなく、線路や架線に降り積もる雪をぼーっと眺める程度である。気が付けば、上り列車も来ていない。線路は、場所によっては殆ど雪で埋もれていた。
一服して、少し写真を撮って、車内に戻ったところで、スマフォが呼び出す。出るとえりこさんからだった。「堀くんが、お客さんを藤岡まで送っていって、1時間後でよければ寄ってくれる」というのだ。すぐにお願いして、先ほどからぶつぶつ言っている人に「前橋のどこですか? 迎えがきてくれるから一緒に行きますか?」と聞いたが、ぷいと向こうを向いてしまった。
実は、少し前、あまりにも個人だけを相手に話をしているグリーンアテンダントに「ここにいる人には事情が通じるが、他の人も不安で電車に乗っているんだ!! ちゃんと情報を流すように車掌に言えよ!!」と怒ったからであろう。私は乗客ではなく、乗務員に対して言ったようにしてはいたが、彼は憤慨したのであろう。
「一時間ぐらい」と言っていたが、再び電話があり、「そんなにかからなそう」とのことで電車を降りる。跨線橋へ行くと降りてくる人がいる。列車が2時間以上も走らないでいるのを知らないで来た人たちのようである。まあ、電車に乗らなければ帰れない人たちにとっては、待っててくれて都合が良かったようでもあった。
駅舎の待合室には、上り電車を待っているであろう人が10数人。二列のベンチの前には小さな石油ストーブが一つ置かれていた。立っている人には、迎えに来た人もいるようである。駅舎を出ると、なんだか清々しかった。真っ白いが、深夜11時。迎えに来た車の上にも、待っている間に雪が積もってしまったようで、一人は雪を下ろしていた。駅前の屋根の端まで行って、また戻って、反対の端まで行って写真を撮る。
電車の中で十分に暖まっていたからか、初めて経験するような雪に興奮したのか、寒さ、冷たさは殆ど感じなかった。ただ降り続く、積もり続く雪が美しかった。迎えは遅くても良い。もっと、ここでうろうろと写真を撮りたいほどだった。
一旦、駅舎に戻ってみると、「上り列車が高崎駅を発車しました。当駅到着は11:34ころの予定です」と放送が。ただ駅舎内にいても落ち着かないから、表でカップのホットコーヒーを買って飲む。まだ飲みきらないうちに、堀くんの車がやって来た。11時半ころだった。彼がトイレに行き、もたもたとして新町駅を出たが、上り列車はまだ来ていなかった。
彼の車には奥さんも一緒で、車内はとても温かかった。大雪ではあったが、まだまだ十分に走れる状況であった。平均時速は30キロも出ていなかっただろうが、1時間ほどで無事に自宅に到着。彼も20分後ぐらいには着いた様だ。
途中、スタックする車も見たし、前橋市街では倒れたバス停も見たが、まだまだ雪は少なかった。写真は、自宅に到着した時のVWビートルたち。まだサイドステップの辺りまで、前回の雪程度。積雪は20cmといったところか。
ところが、翌朝には、ビートルたちは全てが雪の中にうずまってしまった。前橋市は73cmを記録したらしい。あのまま、電車の中で夜は越せたであろうが、翌日に前橋まで帰れたのか。高崎線では随分と列車の中で一晩を過ごした人がいたらしい。高崎駅でホテルに泊まろうとしたが、いっぱいで泊まれなかった人もいたらしい。
私が、前橋までたどり着けたのは運が良すぎた。奇跡だったと。
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コメント
全国各地、本当に大変だったみたいですね(^_^;)逆に今現在、東北ですが私の住んでる場所は道路にも雪が無い状態です(^_^;)
まぁ、雪対策してない地域で雪が降ると確かに大変ですが、雪の対策してる東北でも、今回のような大雪が毎日のように続く場所などもあって、毎日のようにゆきかきしてたりするってことが全国的にもわかって良かった部分もあるんじゃないかと思ってますw
高齢化で除雪もままならない地域もあるので、これを機に一応対策をしてくれるといいのですけどね(^_^;)
投稿: UNI | 2014年2月16日 (日) 11時12分