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2013年3月17日 (日)

梅が咲く中、諏訪町の「おしどり食堂」へ

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強風とPM2.5、煙霧などの続いたこの一週間。この土曜日は、好天となった。ただ、地平線に近い所は少し霞んでいるようだったが。

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足尾へ行きたかったが、あまりの眠さに諦め、昼に歩いておしどり食堂へと向かう。いつもクルマで走って気になっていたが、駐車場が分からなかったからだ。

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「桜はまだなのか、いつ咲くのか」と八幡様を抜けて行く。境内に入ると、すぐにおにぎりとだんごが散らかっているのが目に付いた。海苔巻きもある。強風で飛んできたのか、誰かが捨てたのか。

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おじさんと仲良くお昼を食べだしたタバコ屋のおばちゃんにあいさつをして振り返ると、八幡様の北側の梅が満開になっていた。

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八幡様のすぐ北にあり、空襲を免れた昭和5年のお宅の梅である。

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私は、ここが好きである。ここに来ると昭和に戻れたような、落ち着いた気持ちになる。春のポカポカとした陽気に、一段と気分がいい。

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この玄関の感じも良い。私が子供の頃は、どこの家もこんな玄関だった。

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こっちへ行くと、歩道橋を渡らなくてはならないと思いつつ、八幡様の裏を行く。

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八間通り、いや八展通りを下り中央前橋駅の角へ。そこでふと美やこ食堂を見ると閉まっていた。「どうしたんだろうね、土曜日なのに」

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そしてハルナメガネを尻目に路地を入れば花園公園。子供の頃から変わらないような公園が今でも残っていてくれた。

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そして間もなく路地の先に煙突が見えてきた。前橋温泉、重兵衛湯である。「もうこの近くだね」

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通りにでて「あれどっちだ」と言いながら右手を見れば暖簾が出ていた。「暖簾が出ているね」と、ちょっとわくわくして店に入る。

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店に入ると、カウンターにおばあさんが二人。
「どこ座ろう」というと、
「あんたら二人だから、そこに上がればいいがね」と小さな座敷に上がらせていただいた。

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頼んだのは、ビールと餃子とかた焼きそば。餃子が美味しかった。そして焼きそばの量が多かった。味は近所の来々軒とは対照的で、ちょっとすっぱめ。しかし、こちらもつまみになる。
手前にいたおばあさんが「なんだ、それ。美味しそうだね、今度は私もこれを頼もう」などと声を掛けてきた。常連さんではないかと思うが、かた焼きそばがあるのを知らなかったとは…。
もう一人のおばあさんは「重兵衛湯.のアイちゃん」と言われてこの辺りでは有名らしい。重兵衛湯の親戚に嫁に来て、35年間重兵衛湯の夜番をやっていたとのことである。朝は4時から働いて、5時半の開店時間には沢山の人が並んで、おしゃべりをしていたりして、近所からの苦情もあったとか。朝番と夜番とあり、朝番の人が止めた時に、おばあさんが一時朝もやったことがあるらしい。
「朝番会ってのもあったいね」と店のお姉さんが言う。
「そうだよ。朝番会で旅行へ行ったりね」とおばあさん。

「熱海湯ってのどこにあったんだい」と聞いたら、「斜め裏だいね」と。
おばあさんの子供は熱海湯のことを「空いてるお風呂」と呼んでいたとか。いつも重兵衛湯で混んでいるから、「おかあさん、空いてるお風呂に行こうよ」と良く言われたのだそうだ。

「熱海湯があって、あっちには星野湯があって、川の手前にも(諏訪湯)あって」と店のおばあさん。

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アイちゃんとしこたま話をして帰路につく。諏訪町は昔賑わった所であるから、狭い道を歩いて帰れば、往時を伝える家も少々残っている。

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狭い通りをそのまま広瀬川に向かえば、カルマンが見えてくる。いつものカルマンである。カルマンがあるから、ここの通りを抜けると言っても良い。
エンジンフードのペイントが剥がされていたので、夫婦で話をしていたら、オーナーが現れた。このカルマンは7年ほど前に私の友人の塩家さんの店で買ったこと、私の長男と同い年であることなどなど、しばらく盛り上がってしまった。

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おばあさんたちと盛り上がりビールを二本飲んでしまい、その後、カルマンで話し込んでしまい、広瀬川脇の新しいトイレに寄る。青い空と、淡い緑の柳が良い感じである。

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再び細い路地で街に入れば、ピンクの梅が美しい。表に回ると、千代田町五丁目の自治会館だった。

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細い道を選ぶように行くと、立派な門扉の跡のレール。そして、その脇にふんわりと膨らんだホウズキが落ちていた。枯れているのに形を崩していない、その姿に少し嬉しくなった。

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馬場川通りに出ると、向こうの方に黄色い花が満開になっていた。

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ダウンビートの坂を上がり、八百屋の所にでる。
「今日は、なんか買わないの?」
「昨日、色々買ったからね。でも、なんか見て行く」
穏やかな天気の中、夫婦で昼食に出て、帰りに八百屋に寄って行く。
なんだかとても当たり前な、普通の感じが嬉しかった。
今は、そんなことが少ない世の中になったし…。

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