寒波の前橋の空
近所の空き地には枯れた猫じゃらしがあるだけ。あとは、犬のしたものの始末の注意書き。
終戦直後の区画整理まで、メインストリートだった通りの一部が今も残る。左手の角には電気屋ともう一軒あったはずだが、今は寒々しい。
とても空気が冷たいが、空の模様に興味を惹かれ、見上げてながら歩いて行く。
西の空から、放射状に流れてきた雲が、前橋の上を横切って行く。
見るからに冷たい雲。そして冷たい空気。良く「昔は耳が痛くなるほど寒かった」などと話したりするが、あの頃のような寒さ、冷たさなのだろうか。
国道50号から一段下がった馬場川通りは日影。そして眩しい太陽が雲を真っ白くし、一段と冷たさを感じさせる。
雲は流れて行くというよりも、前橋の街の上で漂っているような模様を作っていた。
銀座通りも、大きな影が寒さを強調する。
赤かんばんの裏、青い空には冷たい雲が漂うばかり。
まるで冷凍庫の中から漂ってきた冷気が前橋に流れ込んでいるようである。
「もう、これ以上は歩けない。青井食堂がやっていなかったらどうしよう」と話していたが、幸いにやっていてくれた。温かい店内で、温かい食事と、温かい会話。
身体も、気持ちも温まって表に出ると、先ほどまでの冷凍庫の冷気のような雲は殆どなくなっていた。
寒いのには変わりはないが、「寒い、寒い」と10分も言っていれば家に着くのであるから大したことはない。
ずっと太陽は低い所へ居るから、町中からなかなか夕日は拝めないが、小さな古いビルの丸い窓から、向こう側の夕日が覗いていた。
寒いから家で、寒いから車で、などということは最近はあまり考えない。歩いて出掛けて季節を体感する。短い時間であっても、寒くても、暑くても。いや、寒いから、暑いから、満足感も得られるのだと。
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