岩神でネコがついてきた
ネコは、私たちの脇を通り過ぎると、石垣に上がり、私と近い視線で一緒に歩き出した。
私たちが行く先についてきて可愛らしい。私の靴の上に前足を乗せ、私がそっと足を持ち上げると、ネコの身体は空中に少し浮き上がった。ネコも楽しんでいるようだった。
路地を抜けて通りに出ると、今度はネコが近所の家に向かっていく。そこには、一回り大きな体のネコがいた。近付くと尻尾を下げ、顔を見合わせた後、お互いに鼻の頭を擦り付け合うと、私たちと一緒に来たネコは、ピンと尻尾を持ち上げ自慢するようにして、戻ってきた。
どうも、こいつにとって、私たちは自慢の人間らしい。「ついて来い」とばかりに私たちの前を歩きだす。
もう一匹のネコのところにも自慢をしに行きたかったのかも知れないが、私たちが反対に歩き出すと、甘えるように「にゃ~ぉ」と言いながら追いかけてきた。
一緒に歩く割には駐車場の車の下にもぐったり、私以上に寄り道が多い。そして、小さな子どものように、私がカメラを向ける所に入ってくる。
このままでは、岩神から表町までついて来かねない。信号のところでこちらは左折すると、彼は道路を渡り出し、途中で気が付き戻り、クラクションを鳴らされていた。
いったいどういう気なのだろうか。ずっと一緒にいたいと言われても無理である。彼が道沿いの家の庭に入ったのを見ると、私たちは通りを横切り、角を曲がり陰に隠れ歩き出す。すると、向こうの方から、「にゃ~ぉ、にゃ~ぉ」と聞こえてきた。
折角仲良くなったのだから、しばらくは遊んでいたいが、なついてしまっても困る。それに遠くまでついて来て、彼が帰れなくなっても困る。
でも、楽しいひと時であった。
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