前橋に秋を求めて…。
天気が良くて好都合である。市街地から上を仰げば、雲ひとつない。ただ、赤城の上の辺りだけ、寒そうな雲が浮いていた。
一段下がったところで、日当たりがあまりよくない感じでは合ったが、50号沿いの建物がなくなったお陰か、ぽかぽかの中を歩く。
「なんだろう、この生垣は」と夫婦で会話をする。このあと、「からたち」の話となったが、これがカラタチだったとは、帰ってから知る。
寺が多く、空襲で焼けなかったということもあろう。馬場川沿いの道路は、今も車は通り抜けられない広さで、歩くにはもってこいである。
今も現役かは知らないが、丹下珠算塾は古い石の蔵と、土蔵を利用している。
昔のイシイパンの辺りから、街の方を振り返れば、途中に大竹酒造の煙突も見え、なかなかの風情である。
中川小の脇の道を北に行くと、蔦の絡まった家があり、そこに何やら大きな黄色いものが成っていた。
踏み切りを渡れば、角に大きな木。古い街道どうしの角に良く見る光景である。
駅の近くには、枕木の柵があるが、その枕木はかなり朽ちている。炭化しているようにも見えるし、風化した様は、グランドキャニオンを想像させた。
上電プラザも昔のものになつてしまったが、広瀬川の脇にあるのは変わらない。左手には銭湯の煙突も見える。
上電の駅が近付けば、その昔の活気のあった時代の名残も目に入る。
線路沿いの駅ビルの道を挟んだ反対側には古い倉庫も残る。そんなところに、ちょつと古いフィアットが。なんだか温かい気持ちになる。
駅の北には、古い駅前ビルといえそうな建物がある。このまま廃屋になるかと思っていたが、近年、半分だけ少し綺麗にした。
そこに残る「美やこ」という食堂へ入る。かみさんは、500円のチキンカツランチに「安い」を連発しているが、私は100円の星座占いが、灰皿として現役なのが嬉しかった。
「まもなく、こんな灰皿も、タバコの煙も見られない時代が来るんだよ。」
折角だからと、中央前橋駅内を通り抜ける。ちょっとクリスマスムードを出してはいたが、閑散としているのは、いつものと同じ。
街中を抜けて帰るが、殆ど人はいない。ミヤマの角の近くに来ると、木造の床屋さんが取り壊されていた。
「この前までやっていたの。建てかえるのかな。」
街中の街路樹も、微妙に紅葉していて、秋を感じるが、もう12月も目前である。秋だか何だか分からないうちに、例年だったら「冬」の季節になっていくようだ。
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コメント
こんばんは。以前、メールをさせていただいた上尾のマサと申します。
いつも拝見していますが、特に今日のは懐かしいです。
「ミヤマ」というのは、ミヤマ会館のことでしょうか。以前、私が前橋にいたころ(30年以上前ですが)そんな名前の建物があったような記憶があります。因みに、私は紅雲町でしたが、よく買い物に行かされた八百屋さんが「ノブサワ」だったような気がします。
少し前にR17を通しましたが、通っていた桃の井小学校の前の歩道橋がなかったような気がします。撤去されたのでしょうかね。
今後も前橋の情報、楽しみにしています。
投稿: マサ | 2010年12月 1日 (水) 20時18分
どうも、ようこそ、マサさん。
「ミヤマ会館」です。私は、32年ぐらい前に、自分のバンドでミヤマ・ビアガーデンに出ていました。
といっても、毎週水曜、一ヶ月で首になりましたから、4回ぐらいでしょうか。
サザンオールスターズとか、ツイストとか、当時の流行の曲もやりましたが、盛り上がったのは、群大生の飲み会があった日だけでした。
演歌とか出来ないですからね。
桃井小の歩道橋は、2、3ヶ月前に撤去されているのに気づきました。
もう、歩道橋の時代ではなくなりましたから。
昭和40年頃が、歩道橋の誕生でしょうか。
運転手も無茶をしている時代でしたが、信号や、道路標識も充実していない時代。歩行者は、歩道橋に逃げていたわけです。
今は、信号も道路標識も充実し、信号などは連携して動いていますので、車も、歩行者も楽になりましたね。
今は、両側の信号が赤になれば、どこでも渡れたりしますし、都内なんかも、一方通行のお陰で、大通りでも横切り易いです。
ただ、地方のほうが、歩行者の少ない分、自動車のマナーが悪いですかね。
見ていただいていて、ありがとうございます。
趣味の世界で、自分勝手にアップしていますが、これからも何か書き込んでください。励みになりますから。
投稿: あつし | 2010年12月 1日 (水) 21時01分
はじめまして。いつも楽しく拝見しております。
私も浅草周辺の下町が大好きで、よく散歩に出掛けております。尚且つ実家が前橋ですので、前橋の写真を拝見して、とても嬉しくなりました。
私もレトロなものが大好きで都内を色々歩き回っておりますが、その様子を「東京ノスタルジー案内」というブログにアップしております。基本は東京の案内ですが、時々群馬も登場します!実家に帰る時くらいしか更新ができないので記事はまだ少ないですが・・・
先日も「群馬伝統銭湯大全」という書籍を見つけて思わず買ってしまったのですが、群馬には東京とは違うレトロな雰囲気がありますよね。
http://nukuiryouichi.blog98.fc2.com/blog-entry-661.html
これからも更新を楽しみにしております!
投稿: とめ | 2010年12月 7日 (火) 23時29分
野口の氷屋の町内会の信沢あつしです。
とめさん、ようこそ。
ブログ、凄いですね。ちょっとだけ見ましたが、食べて、食べて、食べて、飲んで…ですか?(笑
まだまだ良い雰囲気の食堂や喫茶店が残ってますね。
都内などは、おじちゃん、おばちゃんが働けなくなったら「お終い」のところが多くて、「今のうちに行かないと!」と気持ちもはやります。
これからも、食べて、食べて、食べて、飲んで…時々ブログにアップしてください!?
投稿: あつし | 2010年12月 8日 (水) 07時28分