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2010年10月11日 (月)

お昼は夫婦で足尾のラーメン屋

Pa110033_maebashi_69vw 先週中ほどから、一段と無呼吸症候群的な症状が出て、週末はピーク。何もする気がないほどの脱力感。それで前橋祭りも、今日のバンドの練習も休み。

Pa110042_healey_sprite 今日は少し元気になったので、リハビリを兼ねて、どこかへ昼食を食べに行くこととした。私が畳に横になり、手を頭の下に組んで、天井を眺めながら、

「行く店を決めてから、出かけないと、なかなか食堂が見つからないからな~」という。

「じゃ、ラーメン。たまには足尾の『ふくしま』のラーメン屋でも行きますか」と言う。

Pa110051_tsudo_station なかなかつぼを押さえた選択。私も最近は足尾に行っていないと思っていたところだ。2年ほど顔を出していないので、ラーメン屋のおばちゃんが元気かも心配でもある。

好天の中、夫婦で久しぶりのドライブである。それも大した目的もなく、ただ足尾のラーメン屋に行くというだけである。そんな開放感が、精神的に大変よろしい。

Pa110060_korokkeya 足尾の銅山観光のトイレに寄ると、いつになく駐車場が混雑し、多くの人が出入りしている。

バイクのツーリングできていた一行に、「今日は何かあるんですか?」と聞いてみたが、「何でなんでしょうね」と返ってきた。

Pa110066_ichimasu_ryokan 足尾歴史館の駐車場が便利なので、そちらにビートルを置く。館長の長井さんにでも会えれば、という気持ちもあった。

通洞駅前を抜けて、足尾の商店街(といっても今はほとんど住宅街)に出ると、コロッケ屋、いや、肉屋さんに沢山のコロッケが並んでいる。ちょうど昼時だから、揚げたてであろう。

「帰りになると売り切れちゃうよ。今のうちに買っておこう」と入っていく。

するといきなりおばちゃんが、

「ごめんね。今日はコロッケがないんだよ。今朝、ジャガイモを蒸かす機械が壊れちゃってね」と謝ってきた。

夕飯のおかず用に、メンチとハムカツを買って、「おばちゃん、なんで今日は人出があるの?」と聞く。

「あれ、そうかい? 今日は何かあったかね。」

Pa110068_ashio_town そのすぐ先が、ラーメン屋の「ふくしま」である。のれんが出ているのに安心しながらも、急いで入って、「おばちゃ~ん、久しぶり」と声を掛ける。

ラーメンを2つ頼んで、あとは駄弁る。久しぶりに田舎に帰って親戚と駄弁るような感じである。

何でも今年の春に、お父さんとラーメンを食べに来た「小学5年の子供からラブレターをもらったんだよ」とのこと。ここにいると、色々な人が来て、色々な話をしていく。それを生甲斐にしていると言う。足尾の町の話だけではなく、「奥さんのお母さん、そりゃ、いい人だね」などという話にまで及ぶ。

Pa110075_yakuba_no_waki 「あれ? こっちからも行けたっけ」

「うん、役場の脇から行けるよ」と役場に向かって歩き、左の路地に入り、通洞駅へと向かう。

Pa110082_tsudo_cats ずいぶんと猫がいるものだから、一緒にしゃがんで写真を撮る。そうしていたら、後ろになにやら人の気配。

「ここだよ。この先に花屋があってさ、その隣だったんだから」

「あれ、ここは旅館じゃなかったか」

などと、おばあちゃんと、娘さんと、おばあちゃんのお孫さんだろう。3人で場所を探しているようだ。

「そうそう、ここは旅館だったんですよ。最近、壊しちゃったんですけどね。」と話に割り込む。

Pa110087_ashio_fukushima おばあちゃんと娘さんは、40年前まで、この猫がいるところの隣の家に住んでいたのだそうだ。閉山直前に足尾を出て行き、40年ぶりに来たのだそうだ。

足尾駅前の製材所のお宅にお邪魔して、そして当時住んでいた通洞に寄ったとのこと。私と話していて、当時住んでいたのは、ここだと確信を持ったらしい。

Pa110090_ashio_marusan おばあちゃんは、「岩本屋の最中を買って帰りたい」と言っている。学校のそばだというから、「川のところかい?」と聞くと、そうだという。「今もやっているのか、私は分からないから、福島のおばちゃんの所に行って聞いてみよう」と案内する。

お互いに今の名前で挨拶しているから、らちが明かない。すると何気におばあちゃんが旧制を名乗った。

「なっちゃんじゃない!」

幼馴染だった。それから、二人の会話が盛り上がったので、私は安心して車へと戻った。

Pa110096_tsudo_susuki まだ3時前というのに、日はずいぶんと傾いて、線路沿いのススキを美しく照らしていた。

なんだか、とても温かい気持ちになっていた。今週の疲れも全て消え去ったような感じになった。

Pa110108_tsudo_station 最盛期は、宇都宮市に次ぐ人口を誇っていたが、今や過疎の町。「退職後を田舎に住みたい」と引っ越して来た人もいたが、今はその多くが空き家になっているとか。

Pa110116_ashio_hendensho だからといって、何もない、寂しい町ということではない。今もまだ、賑やかだった頃から住み続けている人がいるし、そんな歴史ある町だから、こうして懐かしんでやってくる人もいる。

足尾の歴史を多くの人に語りかけるために、そして久しぶりに懐かしんで帰ってきた人を温かく迎えるために、ラーメン屋「ふくしま」のおばちゃんには、まだまだ元気でいて欲しい。

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