トロッコな午後。
東京から来る仲間を迎えに館林駅へ行く。西口が新しくなり、正田醤油の残っていた線路も、粗方取り除かれた。新しく設置されたトイレの裏は、まだ線路が残っているのではないか。駅に着くと、すぐに私はトイレを目指すと、やはり裏手の線路は残っていた。
正田醤油の前の道を横切る線路も、その先も一部分が取り残されていた。道路のレールはともかく、西口周辺に残された508mmの線路が無くなるのは時間の問題であろう。
ナローの線路の痕跡を撮ると、東武の電車を見ながら、知人が到着するのを待つ。東武鉄道も、随分と線路が撤去されつつあるようだ。
昭和22年のキャスリン台風の被害により、利根川の堤防工事が盛んになる。見学先には、そんな頃に使われた道具や機械と共に、機関車とトロッコが外観修復され保存されていた。
トロッコは、列車のようなものを想像してしまうが、機関車が無ければ、1両を人が押すものであり、昔は、そのような形で様々なところで利用された。ここには「コンクリート骨材計量機」というトロッコもあった。
更に珍しいものも飾ってあった。頭部が犬のような形をした、初期の「犬釘」である。東武鉄道の工事などもしたというから、その価値を知る人が、そんなときに見つけたものではなかろうか。
見学のあと、一人を駅まで送ると、「葛生へ行くんべえ」となった。すると、途中で私が声を出した。
「あっ!ナベトロだ!!」
「信沢くんが、言うんじゃ~、戻ってみんべえ」である。
私は「たまたま、そう見えただけで、違うかも知れない」と言いつつも、資材置き場のところで「ここを右に」と言い案内をする。そして近づいて見れば、正に「ナベトロ」であった。いや、ナベはないので、ただの「トロ」ではある。近くには、「キキョウ」と呼ばれる、鉄の枕木にレールを溶接した、鉄道模型のレールのようなものもあった。これも、その昔、土木工事で使用したのであろう。
しかし、知人宅、館林駅西口、見学先、最後に資材置き場と4箇所で、ナローの線路を見てしまった。最後は、全くの偶然である。
「あるんだな、まだこんなもんが」
「全国の全ての道をくまなく走ったら、もっと見つかりますよ。きっと」
| 固定リンク
「鉄道」カテゴリの記事
- 「思い出のローカル線」再スタート(2019.11.13)
- 2019/10/26 のぶさん、夕刻の豊鉄に乗る。(2019.10.31)
- 2019/10/26 '65ビートルで遠山郷の「梨元ていしゃば」に(2019.10.29)
- 2019/10/13 台風19号一過、古レールを使った聖牛が濁流に立ち向かった(2019.10.15)
- 2019年、夏の岡山の帰り、丹波国の亀岡に泊(2019.08.07)
「醤油・味噌醸造」カテゴリの記事
- 今時エアコンなしの車で西浅草へ(2017.07.22)
- 秋の佐久で醸造所巡り(2012.11.05)
- 古河、青木酒造へ(2011.09.11)
- 2011年も、真壁町ではじまり、はじまり…(2011.01.03)
- 岡崎醤油の煙突が…。(2010.12.15)
「群馬」カテゴリの記事
- 2019年7月17日 急性緑内障発作で緊急手術で入院!!(2019.08.03)
- 上電 デハ101 卒寿記念乗車(2018.06.05)
- 2018年2月17日、上信電鉄上州福島駅周辺を歩く(2018.02.18)
- 2018年2月17日、甘楽郡の笹森稲荷神社辺りで(2018.02.18)
- プチ登山で鉱石山へ(2017.09.19)
「トロッコ」カテゴリの記事
- 「思い出のローカル線」再スタート(2019.11.13)
- 2019/10/27 Street VWs Jamboree の日(2019.11.02)
- 2019/10/26 のぶさん、夕刻の豊鉄に乗る。(2019.10.31)
- 2019/10/26 '65ビートルで遠山郷の「梨元ていしゃば」に(2019.10.29)
- 2019年、夏の岡山の帰り、大垣で寄り道の巻(2019.08.07)
コメント