雪の近づく前橋の街を行く
道路の拡幅で、随分と空地だらけになってしまったのを感じつつ、まだ青空が眩しい前橋を歩く。
頭の上は、青空だが、北の空の雲が気にかかる。国道17号に入ると、いよいよ道路の拡幅だろうか、工事が始まっていた。
昼食でゑびすを目指したものの暖簾が出ていないようである。良く見ると、おばちゃんが鍵をかけて出掛けるところだった。
「きょうはね、コロッケを沢山買ってくれた人がいて、もう閉めちゃったんだよ。スズランにでも何か食べるものを買いにいこうと思ってね。一人になると、何か作るのが面倒でね。」
「じゃ、ボクは弁天通りのラーメン屋に行こう。」
「京華かい。昔は良く行ったんだよ…」
途中で分かれて、京華へ入る。常連さんが怪我をしているからか、今日が寒いからか、お客さんはいなかった。
それにしても寒い。店に入って熱燗をもらってもなかなか温まらない。
そこへおばあさんの二人連れが来てラーメンを注文する。私もラーメンを頼む。
ラーメンを食べ初めてやっと体の隅々まで血が廻りだした感じだ。
「寒いからね。でも、昔と比べたらそれほどでもないけどね。」最近のこの店での常套句である。
熱燗一本とラーメンで、少し物足りない感じもあるが、店を出て広瀬川へ向かう。まだ古い店が残る光景に引き付けられたかのようだ。
広瀬側沿いにも古い建物が目立つが、その背後からは雪雲が迫ってきているように感じる。ゑびすのおばあさんとも話したが、少し赤城を登れば雪であろう。
青空はあるが、空気は冷たく、時折強い風も吹く。「寒くないところを歩きたい」と、足は自然と風の弱い、日当たりが良い方へと向かっていく。
広瀬川も、あと2ヶ月も経たないう内に桜が満開になるのであろうが、今は冷たい風が流れるばかりである。
このまま広瀬川に沿って行くと日陰になりそうだからと路地に入る。路地も少し行くと日陰になり、また日向を求めて角を曲がる。
日向を求めて行くと、焼きそばが評判の「はしもとや」のところを通った。ちょっと寄りたい気もするが、腹のすき具合と相談して通り過ぎる。
昔の西武の坂、以前のミヤマの通りを登る。綺麗な通りだったが、風が通り抜け、ジャンパーの襟が頬を叩く。
行きよりも、帰りのほうが寒く感じなかった。二階の部屋に上がると、ストーブを点けて次男がパソコンをいじっていた。室温は20度もなかったが、ポカポカとしてきて、少し寝てしまった。目が覚めて表を見ると、薄暗くなった景色の中に白いものが見える。
雪だった。私がうとうととしている間に雪雲が頭の上までやって来ていたのであった。
明日の餅つきは寒そうである。しかし、考えてみれば例年餅つきの朝は寒かった。手がかじかんで、しばらくは上手くつけない。一時間も経って、日本酒の熱燗でも入ってくると、そこからが本番となる。
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