セメント工場から先
もしかすると、線路の引込み線などが、道路と平行したり、そこから小さな工場へ伸びていたのかも知れないと想像させる。
何もない殺風景な中に一直線に伸びる線路と道路だから、そこを歩くといっても、何か想像したり、面白いものを見つけるしかないが、面白いといってもせいぜい踏切程度である。
その踏切といっても、全く見所のない、遮断機も警報機もない小さなものである。そのとてもシンプルな姿に面白みを見出すというのだろうか。
一箇所だけ、線路と反対側に味のある畦道が延びていた。
延々とどこまで続くか分からない直線道路を、ずっと歩くというのも厳しいものがある。
しばらく歩いて、線路の先がカーブしているのが分かってきた。しかし、だからといって面白い景色が広がる訳ではなさそうである。
遮断機のある大きな踏切のところに来ると、そこから線路は左カーブを描き、道路も全て舗装の普通のものとなった。しかし、工業団地のような中へ向かっていく道路は今まで以上に殺風景なのである。
ゆるい左カーブの中ほどで、缶コーヒーを開ける。随分前にコンビニで買ったものだ。
「缶コーヒーぐらい、ゆっくりと腰を掛けて飲もう」と思っていたのだが、歩く足は写真を撮るとき以外止まらず、喉の渇きに負けて立ち止まることとなった。
しかし、立ち止まったのは缶を開けるときだけ。結局は飲みながら歩いていた。その先から、線路は右カーブとなり、広い道路と分かれていく。
左手から秩父鉄道の線路が近付いてきているからだと、ちょっと先が見えた気がする。
しかし、まだまだ遠かった…。
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