東武電車に乗って…。
スカイツリーは年末よりも延びているようで、すぐに車窓から切れてしまい、てっぺんが見えづらい。
一駅乗って業平橋から、押上へ歩く。スカイツリーには「264m」と書かれていた。天気も良く、土曜日であり、観光客も随分とやってきていた。
今回は、あまり長居をせずにさっさと押上から再び東武電車に乗り込む。向かった先は、幸手である。昨年の初めトロッコ目当てで立ち寄ったが、朝が早すぎて、全くといってよいほど見られなかったから。
押上を出ると、電車は地上に出て、右に、左にカーブを繰り返し、北千住へと着く。東京というところは、意外と起伏があり、住宅や川もあるから、この家々の間を曲りくねって行く様は、とても東京の私鉄らしくて良い。
しかし、西新井辺りから、東武鉄道は北関東の私鉄となっていく。
大袋を過ぎれば完全に都会の私鉄の雰囲気はなくなる。そして、ただただ一直線に伸びる線路に、関東平野を感じるのである。
東武動物公園駅で、日光線に乗り換えるために少々待つ。青空は広がっているがとても空気が冷えている。電車が来るまで自販機の陰に隠れて風を避ける。
幸手は、予想通り懐かしい感じのホームだった。ホームの反対側に続く線路を外した跡の空地は、ちょっと寂しいが。
「いい駅じゃないか」とついつい口から出る。
昔風情の跨線橋から眺める。駅舎は古いシルエットながら、リホームをしたのであろう。期待して駅前に出たが、駅までの通りは拡幅され、古い建物は殆ど残っていなかった。
とにかく寒くて、しばらく歩くと、自然と鼻水が垂れてくる。ずーずーとやりながら、工事中の歩道を歩く。
「確か、こっちの方の雰囲気だ」
場所は確信できず、昨年、クルマで来た時の景色だけがたよりである。
店のすぐ脇にトロッコがある永文商店さんは営業していて、「写真を撮りたい」というと快く「どうぞ」と言ってくれた。
私が表で写真を撮っていると、「こっちですよ。トロッコは」と、おばあちゃんは気を使ってくれた。
もう一件は、「NHKの取材を断ったらしいから」と言いつつ場所を教えてくれたので、そちらに歩く。
日光街道だから、とにかく街並みに歴史があるのが嬉しい。しかし、活気があるということはないのだが。
トロッコを見させていただき、古い街並みを眺めて、予想以上に時間を費やした。
幸手駅に戻ってくると、太陽が沈みかけていた。東武動物公園17時17分発の「りょうもう」で帰るのに、少々忙しくなっていた。
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