新春から大喜び…2010

今年も、村井醸造の新酒を求めて、6台の空冷ワーゲンが茨城県は真壁町を目指した。北関東を東西に横切る国道50号。桐生辺りでは赤城の東斜面からの雪雲が流れ込んでいた。

風は冷たかったが、好天に恵まれた。時折ちぎれた雪雲が太陽を隠すと、急に寒く感じる、そんな日。

旧真壁駅のところの公共駐車場に集合すると、早速村井醸造へ行く。古い街の中を、ちょっと古いワーゲンが走っていくと、おとうさんが「ワーゲンだよ」と子供を呼び出していた。そのおとうさんの目は、とても輝いていて、こちらもついついニコりとして、手を振ってしまう。

古い町並みが残り、珍しいというよりも、戦災で歴史ある町を失った私には、憧れであろう。町というものは、歴史が積み重なっていて成り立つものだと思う。

生酒を買えば、昨年同様に散策である。続いては「やきそば」を目指す。所々で面白いものを見つけ立ち止まり談笑し、写真を撮る。田中商店は近いのだが、なかなか着かない。

私は三度目になるが、来る度に新しい発見があるような気がする。

とても古い明治の建物もあるが、昭和の建物もあり、歴史の厚みを造っている。だから楽しみ方も色々で、何度来ても面白いのだろう。

何人かがなかなか前へ進まないものだから、さっさと田中商店を探し出して、店の近くに先に行き待っている人もいる。

駄菓子屋風情の田中商店で昼食である。何人かが例の「やきそば」を頼み、私は「ラーメン」、一人が「タンメン」を頼む。

やきそば450円、ラーメン500円だから、特別安いというわけではないが、とにかく懐かしい味と風情を楽しめるのがいい。

私ともう一人は昨年も寄った、西岡醸造にも行ってみる。敷地に入っていくと、向こうで会釈をしているような人が見える。後ろから郵便局のバイクが来たから、そちらかと思ったが、どうも私たちに対してのようである。

出迎えてくれたおじいさんは、蔵の中を案内してくれた。ここは酒造ではなく、味噌、醤油の醸造をしていたとの事。本家は今でも酒造をしているとのこと。聞けばやはり「清酒　花の井」だった。

ここも元々は酒蔵だったらしいが、明治36年とかに、西岡醸造が買い取り、味噌、醤油の醸造をはじめたらしい。歴史ある蔵ではあるが、経営者が変わっていくのは時々聞く話ではある。

二台は先に帰り、こんなことをしてぶらつくのが面白くてしょうがない四人は更に町を歩く。

ワーゲン仲間の集まりではあるが、古い街の散策が、こんなに皆に喜んでもらえるとは。今の時代、こんな事に飢えているのかもしれない。

そして四人は更に足を延ばすのであった。