ぶらり北本、吹上を
いやいや食堂らしいものが見当たらない。
駅前通りには喫茶店とクスリ屋が残るのみで、殆どが建て変わってしまっている。
喫茶店は魅力的だったが、食堂が無いかとクスリ屋の前にいたおばちゃんに尋ねてみる。
「あとは、中仙道を左に行くとね、向こっかわだよ。そうするとね、美味しいパスタ屋さんがあるよ。そりゃ美味しいよ。」
「美味しいですか!」
「そりゃ、美味しいよ!!」
はじめの食堂は準備中で、気になる喫茶店は「食事はないんですよ。」と。最後に、そりゃ美味しいパスタ屋んは、CLOSED。
吹上も、いや、吹上こそ駅前通りが、向うの方まで綺麗に整備されていた。
とりあえず駅前通りを行く。元荒川の少し手前に「かけはし やきそば」の看板。もう、午後3時になってしまった。しかたなしにここに寄る。
「かけはしやきそば500円」は、肉入りで目玉焼きが載っている。それをつまみにビールを飲む。
若い店主は、この道が綺麗になったのは1、2年という。写真を撮るなら、この先の川に桜が植えてあって、春はとても綺麗だとも言っていた。
店を出ると、すぐ向かいの空地の先に石造りの立派な蔵が見えた。
「あの辺りの裏通りを行ってみようか。」
元荒川まで行き、振り返ると先ほどの蔵のある敷地に沿って細い通りがあり、商店や居酒屋が何軒か並んでいる。駅前通りは姿を変えてしまったが、裏通りは昔の風情を残している。
間もなく出た通りは、古い商店が随分と残っている。半分ぐらいはもう閉めてしまったいるが、これが中山道だろう。
北本では、中仙道が拡幅されて殺風景になっていたが、ここは宿場の繁栄の面影を残す。
それにしても、高崎線沿線の駅前は、どこも同じになろうとしている。駅は橋上駅となり、綺麗なロータリーと、ちよっとした駅ビルや駅内にはファスト・フードの店。
仕事が終わって帰ってきて、「駅前で軽く一杯」というのも贅沢な世の中になったのだろうか。
道路が綺麗に整備されて、店舗が新しくなって、お客さんが増えて、売上げが伸びればよいが、今やほとんど商店がなくなった駅前通りでは、全く期待は出来ない。
高度成長期は、どんどん設備や建物を新しくし、大きくしても、所得が伸びていく時代だったから、とても効果的だった。
しかし、今の時代に再開発でお金を使うというのはどうなのだろうか考えてしまう。
古い商店で頑張って商売をしているところが目に付く。余分なものにはお金をかけずに、商売に専念すれば、なんとか余生を送っていけるのだろう。
それはともかく、こんな古い感じの商店て良くないですか。私は普段浅草にいるが、早く浅草に帰れば、古い商店を覗いて、時には買い物をすることもある。
おじちゃんや、おばちゃんに、どんな品物が良いのか、悪いのか訊いてみたり、昔話もしてくれる。
人生の大先輩のお話は、どんな話であっても、勉強になるものである。そんな商店街がいいよね。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 2019年、夏の岡山の帰り、大垣で寄り道の巻(2019.08.07)
- 山形で羽州街道に出会う(2019.06.16)
- 2018年も田浦へ へろへろ旅 その3(2018.05.02)
- 2017/11/23 いざ川越トロッコ3昧(2017.11.26)
- 石山商店街から石山寺駅(2017.08.11)
「高崎線」カテゴリの記事
- 2019年 仕事始めかな。(2019.02.11)
- 昭和が遠くなってきた。2018/11/25~27(2018.12.08)
- 2014/11/2 藤澤石材店「トロッコさよなら運転」(2014.11.03)
- 高崎線遅延、ミゼット搬入、線路工事!?(2014.09.08)
- 記録的大雪の高崎線から奇跡の生還!?(2014.02.14)
コメント