鴻巣 ほのかに残る駅前風情
駅と駅前ロータリーは、キレイサッパリ再開発され、まるで都会の駅のように小さな駅ビルと連絡し、その奥は立体駐車場完備の大きなショッピングモールとなっていた。
しかし、中仙道の鴻巣宿である。まだまだ歴史が残っているはず。歴史は刻むもので、町は一夜にして様変わりするものではない。
線路沿いをとりあえず行く。ここも街道のように米屋などが残り、隣の駅まで道が続いているようだ。
踏切まで歩いて、来た道よりも一本向こうの道で駅方向に戻る。牛乳屋の角で、右手を見ると古い店が何軒か見えるので、こちらを歩いて中仙道へ向かう。
店は半分ほどはやっていないように見えるが、駅前通の裏手の飲み屋街だったのだろうか。材木屋やだんご屋もあるから、ここが駅前通だったようにも思えてくる。
ここに来る前にも、だんごを売っている和菓子屋があったが、そう遠くないところに、もう一軒あるのは面白い。
ここでだんこでも食べてお茶を飲もうかとも思ったが、大宮で随分と食べてビールも飲んでしまっているので、ここは我慢である。
通りを抜けると中仙道である。そこにも和菓子の看板の店が。なんだか和の歴史を感じさせる。
街道を歩いてきて、だんご屋で一服という名残だろうか。
瀬戸物屋には、沢山の風鈴が下がっていて、涼やかな雰囲気を造っている。なんとも風情があってよい。
他の高崎線の駅同様に、宿場町とはいえ、旅籠はほとんど残っていない。
ただ、こちらは道路拡幅工事の気配がないから、この町並みは、もうしばらく楽しめるのではないだろうか。
駅前通りとの交差点で、駅方向に向かう。この通りは、ずっと再開発の対象なのだろうか。中仙道寄りは殆どの店がやっていない。
この酒屋などは立派である。それは、明治、大正ではなくて昭和の建物だろうが、古き良き昭和の香りが漂っている。
一番駅よりのところには、まだ昭和の駅前の風情が残されている。ずっとこんな店が並んでいただろうにと思うと、私の視界の中には駅前のビルは入ってこなくなっていた。
古い瓦屋の商店が居酒屋になっている。これでいいのだと思う。まだ使えるのだから、お金を掛けずに、皆に喜んでもらって利益を出せば良い。
駅前ロータリー手前を右に入ると、線路側に再開発されたショッピングモールと真っ直ぐな道路があるが、右手には昔の道がよろよろと伸び、その脇には古い家が残っていた。
これが私の見た鴻巣である。まだまだ宿場町の風情を残す良い町だった。
そして再開発されてキレイになったロータリーを眺めて感激した。タクシーの色が、昭和40年頃に流行った淡い緑色だったこと。その色で゛私は完全に小学生にタイムスリップできていた。
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コメント
わ〜わが町、鴻巣も、あつしさんの手にかかると素敵に見えるので不思議(笑
牛乳屋さんには白い大きめなヨタヨタしたワンコが繋がれていませんでした?
駅前開発は苦節20年って感じらしいです。
赤提灯のお店や自転車預かりが軒を連ねていました。
その中に『シロー』という、これまた良い感じに寂れた喫茶店があったのですが
開発前に火事で消滅し、、、店名を変えて復活したものの
今時のカフェになってしまいました。。。
中仙道を北本よりにもうちょっと歩いていただくと、屋根の抜けた廃墟が二棟。。。
あとは勝願寺の前に現役の氷屋さんもあります。
あ、あつしさんが訪れたのは、『レストラン リバティー』っていう緑色の建物
でしょうか???
投稿: shioring | 2009年7月23日 (木) 23時22分
>わ〜わが町、鴻巣も、あつしさんの手にかかると素敵に見えるので不思議(笑
はいはい、笑わない。本当に素敵な町なのですから。
いたよ。ワンコ。
ちょっとかまってみたけれど、ほとんど反応なし。
暑かったしね。背中でもかいてあげたら気持ちいいんだろうけれど、
なんか凄い毛だったしね。
的中! リバティーです。中に入るとアメリカンな雰囲気を作っている。
私世代は、アメリカに憧れていたから、こういう店が多かったけど。
今になると、もう貴重な存在ですね。
さて、次は何駅で降りようかな~。
投稿: あつし | 2009年7月24日 (金) 00時33分
そうそう、開発された地域には銭湯もあったみたいです。
(行った事がないのであまりわからないのですが)
火事で焼けた『シロー』が『箱庭』というカフェになったのですが
そこに銭湯で使用されていた下足入れがインテリアの一部として使用されています◎
あとは、グンゼの工場もあったのですが。。。
>一番駅よりのところには、まだ昭和の駅前の風情が残されている
駅寄りの建物はもっとボロボロで、自転車預かり屋が何軒も軒を連ねていました。
(駅周辺の自転車預かりがどこも新築なのは、立ち退きしたからです)
その向かいは銀行があったのですが、再開発前には無くなってましたね。
投稿: shioring | 2009年7月26日 (日) 00時38分