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2009年7月18日 (土)

大宮は地方の都会

P7180200_ekimae 大宮で途中下車して東口に行って思ったのが、地方の都会の雰囲気。それも昭和の。

P7180203_kizakura こんなに東京から近いのに、東口に関しては、驚くほど昭和の風情が残っている。沢山行き来するバスとタクシーも昭和の象徴的なものだった。

P7180209_bus_station 色とりどりの提灯が下げられた駅前通のアーケードは、昭和の時代の都会の象徴だったアーケードそのものだ。私は子供の頃に、都会のこんなアーケードに憧れていたのだった。

P7180212_sakuraya_2 タクシーが沢山並べられた駅前のロータリー。ロータリーを囲むように飲食店などが並ぶ。いいじゃないの。ちょっとした食堂や喫茶店も、そして懐かしい風情の居酒屋やスナック街も残っている。

P7180216_izumiya_2 水曜日の夜、かみさんと夕食に来て、先ず覗いてみたのが「いずみや」。開け放たれた入口からは、賑やかな声が聞こえ、仕事帰りの人たちで一杯になっていた。

P7180283_new_beetle ぐるりと周って、中仙道にでる。こちらは、道路の拡幅で古い建物は殆ど残っていない。

P7180293_old_house ポツンと取り残された古い家があったが、取壊されるのは時間の問題であろう。それにしても、次々と壊して新しくしてきたのであろうが、あの東口の駅前の風情は見事である。

P7180306_nakamaci 古い家を壊して、道路を拡幅して、新しい家やビルが建って、何か良くなったのだろうか。経済効果があったのだろうか。新しくなった八百屋や商店が賑わっているようには見えないのだが…。

P7180316_tamari 家の取り壊し、道路の拡幅、家やビルの新築。随分とお金を使ったはずだが、それを回収できるほどの効果があったのだろうか。

P7180317_syokken 高島屋の裏の路地に入り、食堂「多万里」の戸を開ける。すぐ左手でおばちゃんが食券を売っているので、そこで買ってから席に着く。

写真は、餃子定食とビールである。赤が餃子で、白が定食。水色がビールと予想したが、果たしてどうなのだろうか。

P7180320_sapporo_nama 実は、水曜日の夕飯をここでしようと思っ来たのであったが、「あと30分で店が閉まる」とのことで諦めたのだった。

12時を少し回って店に入ったのだが、次から次へとお客さんがやって来て、気が付けば満席になっていた。

P7180343_oldhause 古ぼけた店ではあるし、店員も年寄り。テーブルもイスも、昔ながらの質素なもの。それでも、ラー油や醤油、酢の入れ物などは綺麗にしてあって、とても清潔感がある。

そして、昼ともなれば満員になり、長年経営を続けているのだから、道路の広さや、建物の古さはきっと売上げには関係ないのである。

P7180364_sasanokawa そこから駅に向かう路地は、昭和が残っている。路地を出たところは、「いずみや」である。

P7180366_roji 今や、こんなに昭和の光景を残している駅前というもは殆どないのではなかろうか。駅舎が新しくなると、今までの個人商店が姿を消し、駅ビルとつながった大手のショッピングセンターができる。

電車を降りて、飲んで歩く楽しみのない駅前が増えてしまったが、ここは違う。

P7180383_ekimaeoudan_2 最近「世界遺産」にしてもらおうと騒いでいるところが多いが、それまで全く価値を認めずに放置してきて、今更なにを言っているのだというところも少なくない。

P7180394_ekimaeshoeikai だからこそ、今から昭和の風情の残る大宮駅東口の保存活動を始めるべきだろう。ちょうど昭和50年頃から妻籠宿が保存活動をはじめたのと同じように。

P7180422_takasimaya こんな昭和40年を思わせる「高島屋デパート」だって、もう珍しい存在だ。

これをカッコ悪い、みすぼらしいなどと思わずに、味わいがある、懐かしいと正直に言おうではないか。

そして、大宮駅東口を「世界遺産」になるまで育てようではありませんか。

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コメント

こんばんは。
1枚目の左端に写っている『珈琲貴族コヤマ』はたまに行きます。
昭和レトロな雰囲気が気に入っています。なかなか大型の喫茶店です。

椅子の背もたれに透かしで『CK』(頭文字?)と彫ってあったり
テーブルごとに一輪挿しがあるところもなかなか良しなのですが、
今時、、、全面喫煙なので。。。(笑

ケーキが結構美味しいですよ〜

投稿: shioring | 2009年7月18日 (土) 23時16分

ど~も。いいですよね。大宮。東口。
また、来月もかみさんが研修で来ますので、一日ぐらい一緒に夕飯を食べる予定です。

> 今時、、、全面喫煙なので。。。(笑

あっ!仕事では使えないや。我が社の上層部と営業は、殆どがタバコ吸いなんですョ。
私もだけれど・・・。
今日の食堂も禁煙でした。でも、ビールは飲めましたけど。
そこで、鴻巣まで行って、渋い喫茶店というかレストランかなを探してタバコ休憩。
「ここはタバコが吸えますよね。」と入っていきましたら、
「好きなだけ吸っていってください。」と若い女の子に言われました。
そういわれても、そんなに吸うわけではないのですが、今はどこも路上喫煙禁止ですから、落ち着いて吸えるだけでいいんです。

投稿: あつし | 2009年7月18日 (土) 23時41分

!?全面喫煙オッケーなのです!言葉が足りませんでしたね(笑
モックモクですよ〜〜〜

まぁ鴻巣にいらしたのですか!私、鴻巣在住だったりするんです。
渋い喫茶店なんてあったかしら。。。?

投稿: shioring | 2009年7月19日 (日) 00時22分

お~っ、私の読み間違いだ~。
今度は、お昼を食べたら、その喫茶店に行きますぜヨ。

モクモクじゃど~しようかな~…でも、それが昭和の香りかも知れませんです。

投稿: あつし | 2009年7月19日 (日) 00時37分

本日大宮に行く用事があり、ついでだからと氷川神社に行ったところ
東口のあまりの昭和ぶりにおどろいて、なぜこのように素晴らしい光景が残っているか
疑問になり、ココにたどりつきました。
再開発の計画もあったけど、所有者と自治体との合意が上手くいかず、白紙になっているようですね。
タカシマヤのある大きな通り沿いにある。元石原スポーツというお店があった所のビルが
すばらしかったです。

投稿: keiko | 2009年9月 9日 (水) 22時43分

凄いですよね、大宮。
明日は、営業の一貫で「宮原」に行きますので、
状況によっては、若い営業と大宮で飲んで帰ろうかと思っています。

しかし、あそそこそ大切に残して「世界遺産」にしたいぐらいです。

投稿: あつし | 2009年9月10日 (木) 01時44分

通りを歩きながら、これって夢の中なのかな。。ってリアルにほっぺたをつねってました。
駅前の一等地に二階建ての立ち飲みやさんがちゃんと残ってるのは素晴らしいです。
黄桜の看板や、ミシンの看板。ビルのデザインに至ってもきちんと60〜70年代で揃って止まっています。
昭和の駅前のサンプルとしてぜったい残してほしいです。
私も大宮に行くのには2時間以上かかいりますが、またかならず行きたいです。
上の方がかかれていた渋い大バコ喫茶店?気になります。
餃子のお店もいいですね!!

投稿: keiko | 2009年9月10日 (木) 13時37分

> これって夢の中なのかな。。ってリアルにほっぺたをつねってました。

あはははっ。まじっすか!?
昭和40年ぐらいからの高度成長期を象徴するような、素晴らしく、懐かしい景色が残っていますよね。
本日は、大宮駅の隣、宮原に行ってきましたので、帰りに寄りたいなと思いましたが、会社の人が一緒でしたので、あきらめました。
しかし、宮原にお客さんが出来て、時折伺えるようになったら嬉しいな。
帰りに大宮で夕飯も、ありありですからね。まだまだ良いお店、昭和の文化財に指定したい店が沢山あると思いますし。
今のうちに、出来るだけ体感しておきたいと思うのです。

投稿: あつし | 2009年9月10日 (木) 22時36分

はじめまして。
私は武州・大宮に住んでる者です。
大宮というと、東は氷川参道より東、西は国道17号線をすこうし西へ行くと閑静な住宅街になるので、駅では喧騒いちじるしいものの、駅を出るとすこうしずつ静かになってゆき、1kmくらいになるとあのやかましさがウソの様になってしまうから、ホントに摩訶不思議なまちです。
それ故に、あまりのギャップゆえ、初大宮体験される方にはビックリするのではないかと思います。
では、失礼いたします。

投稿: みやのこ | 2014年7月25日 (金) 01時42分

みやのこさん、いらっしゃい。
駅の東は旧中山道。渋い建物がかろうじて残ってますね。
反対に西に出ると、新しい店ばかりのにぎやかさ。
しかし、この活気はうらやましい限りです。

投稿: あつし@小伝馬町 | 2014年7月25日 (金) 17時48分

初めまして。私も同じく大宮に住む者です。あつし様が写真を撮影されてから、アーケードがなくなっちゃったり、細々と建物の建て替えがあったりで、また大宮東口は少しづつ昔の面影を失って(言い方を換えれば、漸進的にリニューアルして)いってますね。私はちょうどあつし様の息子の世代に当たるので、高度経済成長期の面影は、第一印象として自分の世代からは古臭く感じられた事を思い出しますし、実際今でも東口の佇まいを古臭い、汚いと感じる方もいるようですが、あつし様のように、暖かな懐古とともに肯定的に捉えている方もいらっしゃる事が発見できたのは新鮮な驚きでした。しかし、東口再開発の話は前もありましたし、多くの人間が日常生活で利用する空間なので、設備の老朽化や、安全基準、バリアフリーなどの観点からも恐らくは近い将来消えてなくなる運命なのかなと感じております。あつし様が撮影された写真も、あと半世紀も経てば往時を偲ぶ貴重な資料になるかもしれません(実際、私が物心ついた時には大宮の西口は今とほぼ似たような光景で、1970年代の再開発前の西口の面影は全く残っておらず、当時の西口の写真を観ても何だか他所の地域のような感覚を覚えたのを思い出します)。是非このまま公開し続けていただきたいと思います。

蛇足ですが、東武野田線で行ける大宮公園駅の駅舎も、私個人が見る限りでは昭和を思い出させる気がしますので、もし機会がありましたら訪れて見ていただければどうかな、と思います。近い将来改築の噂もありますので…。

投稿: 伍介 | 2015年2月 6日 (金) 02時32分

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