下町風情 西浅草から上野
その先には喫茶ラッキーがあり、箔押し屋さんがある。この日は箔押し屋さんの裏の松葉温泉の煙突から煙が上がっていた。まだ昼前なのだが、午後三時頃の開店だろうか。
その先の角は紙器屋さんだったと思う。こちらもモルタル塗りの良い雰囲気の建物である。
私は、この通りが好きなようで、上野に行く時は無意識にここを歩いている。
その先には、町工場の風情の建物があるが、看板には「貴金属商」とある。二階の窓は蔵のようで納得させられるが、それでは裏に続く工場はなんなのだろう。金属加工もしていたのであろうか。また裏は別の会社だったのか。
清洲橋通りの角も良い感じだ。今は選挙のというか政党のポスターが沢山貼られているから、誰も使っていないのかも知れない。
その並びには、看板建築の長屋があるが、その中の二店舗は誰も使ってなくて崩れだしたのか、ネットが張られている。ちょうど一年ほど前に工事の人が出入りしているように見えたが、取り壊しでも改装でもなかったのだ。
戦後の小さな木造平屋建てに住んでいた私は、二階家や屋上のような物干し場に憧れたものであるが、そんな物干し場が傾きつつも現役で残っている。
昭和40年頃、「スーパーマーケット」というものが出来始めたが、その頃の雰囲気を残すスーパーが目に入った。土曜日だというのに全てのシヤッターが閉まっている。以前は気にならなかったから、最近閉めたのであろうか。
その先の角まで来ると現役の商店も増えてきて、上野も近付いた感じがしてくる。この小さな下町の商店街の雰囲気が好きである。
上野方面から来た人が交差点を横切って行く。その先には現役の八百屋が。
向こうの角は居酒屋。
上野が近付くほど古い家が残っていて、脇の路地をキョロキョロと覗きながら歩いて行く。ここも東京で、ここにも人々の生活がある。
古い建物で、良く頑張って商売をしていると思うが、今でもやっていられるのは、この店を頼りにしているお客さんがいるからだろう。
木の電柱が立っている家があった。その角を次から次へと自転車が曲がって行く。車は殆ど走らず、ここには昔と変わらない生活が残っているような感じがしてくる。
その角の先は、国道4号であり、国道沿いにはビルが立ち並んでいる。そのすぐ裏なのに、水色にペンキで塗られた「掲示板」が残っている。下町だから植木鉢が家の周りに並べられ、掲示板は影に隠れてしまっているが。
その銅板が貼られた洋館の向いでは、新しいビルが建設されている。
買い物帰りの老夫婦、犬を散歩させる女性。この洋館の前だけは時が止まっているかのように見えてくる。しかし、すぐ先は国道。その途中は時間の壁が存在しているかのようである。
国道4号を歩いていて、上野警察の方へ抜ける路地を覗くと、やはり昔の景色が広がっていた。
私の昭和の下町旅も、国道4号に出たところで終わっていたのだった。
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コメント
最後迄読み終えたら、「は〜」と溜め息が出ちゃいました。
その時点で現実に戻った様です^^
投稿: 野宿屋ノブ | 2009年8月16日 (日) 22時19分