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2009年5月 6日 (水)

大内宿の隣で。

P5040260_shimogo 昨年、下郷に酒造があると、国道を左折して驚いたのは、道の狭さ。踏み切りを過ぎて、集落を抜ければ、広くなるがまた集落が始まると、擦れ違えないほどの狭さとなる。

P5040265_matushimaya こんな山の行き止まりのようなところに酒造があるのか。ひとつの集落を抜け、右カーブをして橋を渡ると、道は左カーブを描き、また集落となるが、その上に背の高い煙突が飛び出していた。

P5040270_ita 朝早くて、人影もなく、「果たして今でも造っているのだろうか?」と思った。

P5040272_matsushimaya それで今年もやって来てみた。国道から左に折れると道は狭いが、もう今年は心構えができている。

「こんな何にも無いような田舎に、酒造があるんだよ。」と助手席の妻である、えりこさんに説明をしながら行く。

P5040283_tanpopo 橋を渡ると、小さな集落に煙突が覗いている。なんて良い景色だろうか。今は、田舎の小さな集落だが、その煙突と酒造が、この町の歴史を物語っている。

P5040285_sibazakura 今年は午前9時を回っているから、町に活気がある。消防団の前には、2、3台の軽トラが止まり、トラクターが田んぼに出かけていく。

すれ違いも大変な通りだが、クルマを止めるところは心得ている。

P5040292_tanbo いい具合に酒造の脇の空き地にビートルを止める。

「やっているかな~。」と言いながらクルマを降りて、道沿いを歩くと、玄関が開いていて、人影がある。

P5040294_entotsu ゴールデンウィークで遊びに来たであろう子供たちがテレビの前でふざけ、その子達のお母さんらしい人と、おばあさん。

「お酒売ってますか?」と言うと、子供の一人が、

「ありますよ!」と言って奥へ入って行った。

P5040303_syuuraku しばらく待つと、もう一人おばあさんが出てきた。

「ここで造っているお酒はありますか。」

「今は、協業だけど、ここで造っているよ。一升瓶と、四合の純米酒があるけど。」

「じゃ、その四合の純米酒をください。」

「ちょっと待ってね。」とおばあさんは奥へ。

P5040312_curve しばらく待って、お酒を持ってきて見せてくれる。

「これでいいです。」と言うと、今度は、箱を取ってくると、また奥へ戻ってしまった。要領を得た私は、店先に出て、写真を撮りながらおばあさんを待つ。

P5040322_syuzo 箱に入れるのを手伝って、袋は要らないというのに、袋を取ろうとするのを手伝って、お金を払おうとしたら、なんと「960円」だという。

ついつい「安すぎないかい。」と口から出る。

P5040325_ryokan 「この店はいつ頃からあるんですか。」と聞いてしまったからいけなかったのか。

「こう見えても、古いんだよ。明治の初めからやっているんだよ。」と話を始めてしまった。

もともとは、ここが会津西街道で、川沿いの道、今の国道は、鉄道かできてかららしい。つまり、この道が大内宿に続き、本郷に抜ける街道なのである。

おばあさんが、大内宿から本郷に抜ける道も舗装されて良くなったから、戻らないで、こっちから行きなさいとしきりに言う。

中山峠という小さな峠を越えて、ひとつ宿場を抜けると、大内宿まであと一里。古い集落の残る道を大変楽しませていただいた。毎年のように来てはいるが、こんな良いところがあったとは。

大内宿近くの丁字路に出ると、今までののんびりした光景とは正反対に、自動車たちが列を成していた。大内宿も魅力的なのかも知れないが、私たちにとっては、昔の街道沿いの古ぼけた景色の方が、よほど新鮮で良いものだった。

まあ、楽しみというものは、人それぞれだから、一概にどちらが良いとはいえないが。

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