伴内酒造への道
伴内酒造も、柳澤酒造も明治10年ごろの創業と聞いた。約130年の歴史だが、伴内酒造は数年前にやめてしまった。まあ、その分、古い建物が残っている。
来た道を戻り、途中から東へ向かうが、広域農道的なものが東へ延びている。それが一番判りやすいが、細い道に入り、さらに細い道に入るように歩いていく。
車が来なくてのんびりと歩け、何より見える光景が、なんとも懐かしい。
午後4時を過ぎ、また山沿いが曇っているため、太陽がそこに入ると、薄暗くなってしまった。雲の切れ間に出れば、少しは明るくなると思うが、思うように雲も太陽も動いてくれない。
クネクネと路地を行き広い通りに出る。と言っても狭いのだが、粕川駅に続く道だろうか。伴内酒造から北上したところは膳駅だから、二駅ほど東に行くこととなる。そう考えると歩く事に不安になる。
しばらく北上すると先に信号が見えてきたが、新しい道を歩くのは面白味がない。また細い道を東へ折れて行く。
畑の中の道の正面は、橋があり、川沿いに藪がこんもりと茂り、その端には藪にかかるように二階屋が。昔から良く見るような地味な光景だ。
小さな川を渡って、北上する。随分と日が傾いて、太陽は雲の陰。真っ直ぐな砂利道を、新しい農道へと出る。そして農道の脇の舗装していない部分を東へ。
すると、橋が工事中で「迂回路」とある。ちょうどいい。車がやってきたら、畑の方まで避けながら歩く。土手を回り込むように登り、橋を渡ると、正面の少し左手に茂みが見えた。
茂みの中に、煉瓦の煙突。ちょうど伴内酒造のところに出てきた。といっても、西の空は、間もなく夕焼けになりそうな気配である。
真っ直ぐに続く道。右手にはビニールハウス、左手には小松菜が散らかった畑。何もないから煙突が見えてはいるが、なかなか近付かない。薄暗くなってくるし、駅までも遠い。少々心細くなり、するとなんだか寒くなる。
やがて道は集落に突き当たり丁字路になる。そこから左を見れば、正面に伴内酒造の蔵や煙突が見える。
「あぁ、着いた。」と思ったら、なんだか少し暖かくなった。そのまま行っても、伴内酒造の周りをぐるりと回るだけ。酒造の入口は東側。以前は藪が茂っていて歩くのも大変だった細い道で、一本東の道へでる。
伴内酒造の正面が近付いたが、もう随分と暗くなってしまった。これでイイ写真が撮れるのか…。
やはり、想像していたような写真を撮るには暗くなりすぎてしまった。
伴内酒造は、昨年は暖簾が掛かって、明かりも点いていたが、暖簾はなく、灯りも見えない。
おじいちゃんと、おばあちゃんはどうしたのだろう。ちよっと覗いてみようかと思ったら、一台の車が出てきて、ガラガラ…と音がして、正面の門が閉められてしまった。
なんだか、ちょっと様子が違うな。
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