行田の「かどや」
酒造も渋かったが、店を出てみると、辺りも渋い。こりゃ、この通りに今度は写真を撮りに来なくてはいけないと思うほどだ。
それはともかく、食堂と聞いたところへ行ってみると、「ふらい」「やきそば」と書かれ、果たしてここにお腹にたまるものがあるのか。
ちょっと不安な気持ちで店に入る。
入ると、店の人なのか、親戚の人なのか、5人組みが陣取って、そこのばあさんらしい人と話をしていた。
果たして、私はお客として扱ってもらえるのか、心配しながら戸を閉めると、
「お客さんだよ。」とその人たちの中の一人がおじさんに声を掛けてくれ、私はお客さんとして、もう一つの残った4人がけのデーブルに腰掛けた。
おじさんが「(今は)ひとりだから。少しまってね。」と声を出してくれて、一安心である。
しかし、「ふらい」というものか、「焼きそば」か、あとは80円の「ゼリーフライ」か「てんぷら」である。
ばあさんは、「私も100だから。」としきりに話をしている。途中で突っ込もうかとも思うが、人の話を聞き取れるほどの聴力もない感じで、とにかく、自分一人で会話をしているかのように、話をしっぱなしである。
「お腹にたまるものを」と言ったらば。おじさんが、
「焼きそばか、フライの玉子入りだろうね。」と言うものだから、とっさに「ふらいの玉子入りを!」と声が出た。
とにかく、待たされた。どうも先の5人がお客さんで、それぞれが色々と頼んでしまい、ひとりのおじさんは、てんやわんやになってしまっていたらしい。
5人に料理が出てきて、程なく私のふらいも出てきた。
しかし、あの5人が食べ始めた、コロッケ大のさつま揚げのようなものは何だろうと思うと、「それは何ですか。」と初対面の人に対して口に出していた。
それが「ゼリー・フライ」というモノらしい。話を聞いていると、ころものない「おからコロッケ」のようなものらしい。
それにしても、待たされたものの、食べるのは簡単なものである。ゆっくりと食べたつもりも、そうは時間は掛からなかった。
まあ、玉子が入っても380円の食べ物だから、そんなものかもしれない。でも、この風情と、100歳と何度も言っているばあさんがなんともいえない良い雰囲気を醸し出していた。
「子供の頃のじじ焼屋みたいな感じたな。」と頭に浮かんだ。
「じじ焼き」というのは、前橋の言葉で、東京で云う「もんじゃ焼き」である。
帰ってきてネットで調べると、行田には「フライ」を食べさせる店が50軒もあるのだそうだ。恐るべし行田市。
こんな店はかりが50軒とは思わないが、いったいどんな町なのだろうか。
そのうちに、行田の「ふらいめぐり」というものもしないと行けないだろう。
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コメント
行田というと、やはり「軍手の町」
のイメージがあります。
伊勢崎の踏み切りのイタリアンは
一回行ったのですが、パスタはともかく
パンがめちゃウマだったのを覚えています!(笑
投稿: 男ガール | 2009年3月25日 (水) 12時34分
> 行田というと、やはり「軍手の町」
「グンテ」というのは、群馬手袋で「群手」かと思っていました…スッゲーウソです。
> 伊勢崎の踏み切りのイタリアン
昭和54年頃に私が行った時は、とても高級なレストランで、
フランス料理のコースを食べさせられた記憶があります。
シェフのお勧めで、「鹿肉」を食べたんだよね。
投稿: あつし | 2009年3月25日 (水) 13時48分