新屋駅から柳澤酒造へ
新屋駅で上電を降りると、乗ってきた電車を見送るように写真を撮る。振り返れば、昔の商店を改装したような家がある。剥げ掛かったコカ・コーラのシールが何よりの証拠だ。
昔は店はホームから入れたのだと思う。きっと乗車券も売っていたに違いない。
駅のところには、売店的な商店があって欲しいと思いながら、その先を見ると踏み切りのところに小さな商店が建っていた。
そんな通りをキョロキョロと見渡しながら踏切に入ると、警報機が鳴り出した。
反対からやって来た電車を撮って歩き出して、隣が粕川駅で、あそこでは列車が交換することを思い出した。
ネットで地図は調べてきた。駅のすぐ脇を道なりに行けば柳澤酒造だ。午後3時を少し回り、ちょっと日は傾いたが、まだまだ暖かい。
駅から柳澤酒造に続く道は、少しくねりながら、南に延びている。時折、古い道を拡幅した時に出来たであろう、三角な空地などもある。
県道3号を信号で横切り、山を下るように南へ進む。すこし霞んだような空のせいも大きいだろう、もう春の気分だ。
梅だけではないと思うが、白い花が満開である。車の往来も少なく、長閑で歩きやすい。
流石に駅と酒造を結ぶ古い道である。その中程の古い交差点には製菓店の看板と建物が残っていた。半生菓子でも作っていたのだろうか。それとも、だんごやぼた餅か。
その先の右側に大きな倉庫か見えてきたので、「本通りを行っても面白くない」と、その倉庫の方へ行ってみる。勿論、脇道にそれても、また元の道に戻れるように位置関係を見ながら歩く。
脇へ入ると、やはり農村的な景色になる。向こうからやって来たトラクターのおじさんに、ついつい笑顔で挨拶をしてしまった。
車で走っていると見えてこないが、日本の田舎の景色が沢山残っているのが微笑ましい。
脇道はクランク状に、左カーブし、その先でまた右へカーブする。その右カーブの少し先の角から南を望めば、茂みの中に柳澤酒造があるのが分かる。
「もう間もなくだ。」時計を見ると、40分近く歩いている。あそこまで行くと50分ぐらいになるだろうと計算する。
大体、こう何もないところだと、見えてからが遠い。
畦道を繋いで、酒造を目指す。なんて気分がいいのだろう。と思う反面、帰りはどうなるか。暗くなってしまわないか、疲れて嫌になってしまわないか不安にもなる。
でも、とりあえず酒屋にはたどり着ける。
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