倉賀野へ
最近、道路が変わって、家の近くの道を真っ直ぐに行けば、岩鼻の火薬工場へと行けてしまう。近くなった感じだが、そのかわり以前の道が何処なのだか判らない。まあ、今日は出掛けるのも遅かったし新しい道を行けばいいと、そのまま行く。
実は、年末に高崎に行く時、時間があれば倉賀野にも寄ろうと地図をプリントアウトしていたのが役立つ。岩鼻の小学校をぐるりと回れば、終点部の引き上げ線にでる。
沢山の線路に、タキやコキが整然と並び、DE10が三両ほどきっと定位置に停まっている。
なかなか良い光景だ。ヤードの中を横切る踏切の先にビートルを停め、その踏切を往復して写真を撮る。
地図を見て、国道17号沿い、ヤードの終点部分に移動するとEF65が4両留置されていた。
タキや、コンテナ列車を撮影し、ビートルに戻ると、自転車に乗った青年がやって来て、カバンからカメラを取り出し、EF65を撮り始めた。
「このEF65を取りに来たの?これって珍しいの。」と聞くと、「EF65の500番台ですが、F型なんです。貨物用の500番台で去年の6月に最後の車両が廃車になった…(私の理解が誤っているかも)」などと話をしてくれた。
「今日は貨物が走りますかね?倉賀野でカメラを構えている人がいましたし。」と彼が聞いてきた。
「私は、別に走っても、走らなくてもいいんだけど。」と応えて別れ、私は先の踏切までビートルを走らせた。
踏切から倉賀野方面を見ると、左手にプラットホームのようなものがある。今は使われていないようで、線路もつながっていないかの感じだ。
それで、次の踏切までワーゲンを走らせると、レールは錆び、草に覆われながらも、線路は残っていた。
更に倉賀野寄りに行ったが、ショッピングモールとパチンコ屋の駐車場は車であふれていて、置き場が無い。
仕方なく、倉賀野駅をぐるりと回ってみると、高崎寄りの踏切が鳴り始めた。
踏み切りに行くと、道路脇にビートルを停め、カメラを持って踏み切りへ行くと、自転車に乗った青年が現れた。
「タンクの方のヤードで、入れ替えが始まりましたよ。」と。
写真を撮りながら「まだ、走っているかな? じゃ貨物が走るのかな?」というと、
「まだ走っていると思いますよ。貨物列車は分からないけど。」
と会話をして別れる。
倉賀野駅の脇の踏切を渡ると、DE10の牽引するタンク車が見えた。
「これは、間もなく発車する!」と直感し、パチンコ屋のすぐ北の一通の路地を抜けて隣の踏み切りに来て、渡った途端に踏切が鳴り始めた。
ビートルを工場の入口の隅に停め、カメラを持ち出す。
遠くで発車するフォーンの音がし、しばらくするとDE10が顔を出した。とてもゆっくりと走ってくる。
今にも停まりそうなスピードで、目の前を横切っていく。踏み切りに停まっている人には迷惑かも知れないが、なかなか良い光景だ。
次の踏み切りに近付くと、もう今にも停まりそうだ。しばらくして、車で行けば追いつけるかもしれないと思ったが、踏み切りに溜まっていた車たちの最後尾では、なかなかたどり着けない。
たどり着けば、列車は真っ直ぐにヤードに入り、既に先頭の機関車は切り離され、定位置に向かっていた。望遠レンズで見ていると、排気ガスをブォンと吹き上げた。「こいつは、走り出した。」とその先の踏み切りに向かう。
踏み切りに着くと、一台のクルマが既に停めてあった。倉賀野でカメラを構えていたのは、このクルマのオーナーかなと思いながら踏み切りに行くと、DE10は踏切を横切ると、定位置に停止し、作業完了となってしまった。
ここで気が付いた。私が倉賀野駅周辺でもたもたしている間、入れ替えが始まり、青年が倉賀野駅にやってきている間に、DE10は倉賀野駅までやって来て、貨物列車の先頭に付いていたのだった。
それにしても、ヤードをただ撮りに行っただけなのに、絶妙なタイミングで貨物列車と遭遇できた。それもあの青年のお陰である。
ところで彼は、貨物列車の写真が撮れただろうか?
| 固定リンク
「鉄道」カテゴリの記事
- 「思い出のローカル線」再スタート(2019.11.13)
- 2019/10/26 のぶさん、夕刻の豊鉄に乗る。(2019.10.31)
- 2019/10/26 '65ビートルで遠山郷の「梨元ていしゃば」に(2019.10.29)
- 2019/10/13 台風19号一過、古レールを使った聖牛が濁流に立ち向かった(2019.10.15)
- 2019年、夏の岡山の帰り、丹波国の亀岡に泊(2019.08.07)
「群馬」カテゴリの記事
- 2019年7月17日 急性緑内障発作で緊急手術で入院!!(2019.08.03)
- 上電 デハ101 卒寿記念乗車(2018.06.05)
- 2018年2月17日、上信電鉄上州福島駅周辺を歩く(2018.02.18)
- 2018年2月17日、甘楽郡の笹森稲荷神社辺りで(2018.02.18)
- プチ登山で鉱石山へ(2017.09.19)
コメント