どんどん焼き
私は畦道を小走りでそこへ向かっていた。畑に囲まれた、広いゲートボール場の真ん中に、それはそびえていた。
私にとっては懐かしいというよりも、今は珍しくなった日本の田舎の行事という感じだろうか。街中に生まれ育ち、年々その街は外へ広がり、広い田んぼや畑に触れることはあまり無かったから。
だからこそ、今でも古い伝統行事が前橋に残っていることに感激する。総社町も随分と住宅が増えたが、歴史を残す家々も目に付く。どんどん焼きと、そんな古い養蚕農家の取り合わせが、昔しの景色を作り出す。
しばらくしてから、踏切のそばの神社に、赤と白のお餅を挿した木の枝があったのを思い出す。夜、地域の皆がここに集い、火が放たれる。子供たちも驚き、喜ぶに違いない。その炎に餅を挿した枝を差し出し、あぶって食べる。
子供のようだが、私も一度やってみたい。生まれてこのかた、そんな行事には参加したことがないのだから。
畑の脇を歩き、新旧が混在する住宅地の路地を駅へ目指す。道は鉤の手になり、なかなか駅へはたどり着けない。ジグザグに歩き、駅が見えると、電灯が点き、ちょっと寂しい時間になっていた。
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