上尾の帰りの115系
私は、前橋で生まれて育ち、鉄道に乗るのは、東京の親戚に行く時。まあ、境町の親戚にも行ったが、両毛線の記憶はなく、華やかな電車の走る東武鉄道の記憶ばかり。
前橋から上りは電化が早く、湘南電車の「急行あかぎ」が上野に直通していた。やはり、私の記憶は、流行の湘南電車で、蒸気機関車の記憶はひとつだけ。
高崎線のどこかの駅、ホームとホームの間の真中の線路に、蒸気機関車が牽く貨物列車が止まっていたことだけ。
小さい頃に絵本で見た「湘南電車」、80系がカッコ良かった。両毛線は、電化されると横須賀線の70系が入ってきたが、私の記憶の中では、湘南色の方が馴染みがあって懐かしい。
旧型国電と云われるスカ電や、ゲタ電よりも。
両毛線の小山行きを待っている間、写真を撮っていると、ホームの反対側の信越線の横川行きが先に発車していく。その向こうのホームには、結婚式で呼ばれたのだろうか、おしゃれをした女性が二人、メールをしている。ひとりは着物を着ている。走り出した電車とともにカメラをその先に向ければ、階段の下の陰になったところに、若いカップルが仲良さそうに佇んでいた。
発車の時刻が近付き、電車に乗って席を確保する。あの二人の女性は、就職をして群馬から都会に出ていったのだろうか。そして、同級生の結婚式で久しぶりに地元に戻ってきたのだろうか。メールの相手は東京で待つ彼氏なのだろうか…。
あのカップルは、若いから、高崎にでも買いものに来たのだろうか…。
温かい電車の中で、ホッとして、そんなことを考えたりしていると、間もなく電車は前橋に着いた。
随分沢山のお客さんがホームへ出て、階段やエスカレーターは行列となった。逆に小山行きの車内は寂しいほど。私は、もたもたしていて、長い列の最後の方になってしまった。
エスカレーターの私の番になる頃には、115系電車は駒形に向かって発車していた。
本家の湘南電車は既になくなってしまったらしいが、群馬の「湘南電車」は、いつまでも走っていて欲しいと思うのである。
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