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2008年6月29日 (日)

上野物語4

P6190129_ 気が付くと一緒に来た二人は店の入口に向かっていた。追いかけるように「もう、帰るよ」と聞こえてきた。

P6190181_ 「あっ、カバン!」と店の人と探すが、見つからない。
「もう持って行ったよ」という声の方を見ると、ユミが持ってドアの向こうに立っていた。彼女からカバンを受け取り「おやすみ」と挨拶をすると、誰かに腕を引っ張られ、キスをを迫られていた。軽く頬に唇をつけ帰ろうとすると、もう一度引き寄せられ、反対の頬にもキスをする。
「ダメ」とジンちゃんは声を出し、もう一度キスを求めてきた。仕方なく、彼女をぎゅっと抱きしめ、キスをしてあげる。駄々っ子のような、あどけない彼女を受け留めてあげる喜びを私は感じていた。
P6200255_ 店の外で、電話番号を確認したり、抱きしめたり、そんなことをしばらくやっていたようだ。それまでビルの前で待っていたように見えた一緒に来た二人の姿は見えなくなっていた。やっとビルを出る。細い路地と路地の交差点に、若い女性たちの姿が見えるが、二人の姿は無くなっていた。角まで行くと、女性たちが私を取り囲むかのように近付いて来て、お店に誘い込もうとする。
P6200275_ この界隈は昔からそうだ。その昔は腕を掴んで店へ引っ張り込もうという事もあったが、今は規制が厳しいので、そのような女性は居ない。それでも、露出度の高い服をまとったスタイルの良い女性たちに言い寄られて悪い気はしない。酔った勢いもあり、引き込まれそうになってしまう。そんな気持ちを振り切るように、私は二人を探すように来た道を歩く。大通りに出ても姿は見えず、諦めて家路に着く。
P6200293_ 「千葉まで安く行くよ」というタクシーの運転手。
「今、友達を探しているから…」と振り切るように歩く。
次の角でもタクシー運転手が、千葉まで安く行くと言って着いてくるが、「歩いて帰れるから…浅草だから」と断り上野駅へ向かう。

最近の上野駅は終電が出るとシヤッターを閉めてしまう。「終電まで駅で寝ていよう」などというのは今は出来ない。地方から出張できたであろう人たちが、駅までやって来て入れないことを知り、カラオケで夜明かしをしようか、朝まで飲もうか、うろついている姿も目に付く。だから駅近くのカラオケボックスは深夜でも一人前の料金を取っている。
P6200306_ 浅草通りに出て、タバコを買いにコンビニによる。「ピーエムワン」といいお金を出すと、それが最後の一枚の千円札だった。ポケットの中が小銭だけになり、なんだか心細くなる。殆ど人のいない浅草通りを歩きマンションに戻ると3時を回っていたが、時間のことを気にすることもなく、シャワーを浴びて出て寝る頃になると4時を回っていた。明日も仕事があるのだが…。

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