上野物語3
母親と共に、初めて日本にやって来たのは9才のとき。幼く見えるが32才なのだそうで、「日本に来て16年」というのは、延べ16年と言う事だろうか。
弟は病気でフィリピンに帰り、妹は結婚して、今まで一緒に住んでいたマンションから出て行くのだそうだ。
自分も昼間働いていたのだそうだが、身体をこわしてしまい、今は、こうして夜だけ働いているのだと言う。
「あなの家、近くだよね。長島さんの家は、とても近所。だよね」
と一緒に来たお客さんが長島さんと初めて知る。二人で近所の話で盛り上がりはじめた頃、
「まだ引越したばかりで、テレビは忘れてきちゃったし、冷蔵庫もない。」というと、
「じゃ、私のテレビをやります。もらって」
と言ってくれた。そして携帯をカウンターのところに取りに行くと、部屋を撮ったビデオを見せ、
「ここにも部屋があって、こっちは妹の部屋・・・これ、このテレビ、大きいよ。」と。
連絡先を教えろというので、仕事の名刺を渡すと、彼女は胸元にそれをしまい、嬉しそうに笑った。
「テレビをもらっらお昼ぐらいおごらないといけないね。」というと、
「ジョナサンでイイよ」と言ってくれた。
私たち二人は、そこから少し親密な関係になっような感じだった。今までは、誰かが歌うと一緒に歌う程度の彼女だったが、一人で歌を歌い始めた。チイママのユミさん、それ程ではないが、とても上手かった。ユミさんは、彼女にとってのお姉さんのような存在で、昼間の仕事も、「今の仕事もチイママに誘ってもらった」と言っていた。
ジンちゃんは、時折胸のところの名刺を確認し、にこにこしていたが、携帯の番号がないと膨れっ面をしたので、ボールペンを出して、書き足してやる。
すると今度は、胸元を大きく開けて、名刺を入れるところを私に見せた。そこには色白の柔らかそうな胸があり、可愛らしい乳首が覗き見えた。すると、彼女は「ダメ!」という風に胸を押さえた。
彼女はずっと私に寄り添い、腕を掴み、時折、キスを求め、思い出した様に胸元から名刺を取りだし確認をするしぐさを見せた。私たちは、そんな他愛もない遊びを楽しんだ。
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