駒形町に残る酒蔵
好天の中、当時の様にワーゲンを走らせる。松並木を抜け、ボーリング場のところを斜めに右折するのが伊勢崎への街道だ。
今はそれらしいものはないが、曲がると右手に「ゴーカート・コース」があったのを思い出す。子供の頃に憧れた。
天気が良いとワーゲンも調子が良い。音もいいし、走りもいい。とにかくドライブが快適だ。
道が広がり、新しい家が増えているが、結構古い家が目立つのには驚いた。
駒形の信号を過ぎると、本日の目的地「森本酒造」だ。駐車場にワーゲンを置かせてもらい、写真を撮り始める。
するとすぐに、近所のおばあさんがやってきた。
「何をしているんだい。」
「こうゆう古い家がどんどんなくなっているので、去年の年末ぐらいから写真を撮っているんです。」
「偉いね~。この酒屋さんは古いよ。もう造っていないみたいだけれど、お酒は売っているんじゃないかな。」
「あと、向こうの本屋さん。ここも古いんだよ。」
「この辺りは空襲もなかったし。」
「ここもずっと、ここんちの長屋だったんだよ。向こうに残っている二階家もそうだよ。いい人でね、みんなに安く貸してくれてたんだよ。」
今は、その二階家が朽ちかけながら残っている程度。
つい3、4年前まで、ここの酒蔵もやっていたと思ったのに。工場への入口やショーケースのシャッターが閉められている。
「・・・おばあちゃんの言う通り、もうやっていないのだろうな~。」と感じる。
道路側から写真を撮って、狭い路地などを抜けて、戻ってくると、今度は裏手に回ってみた。
しかし、大きい。広い敷地の周囲を蔵と、住宅が取り囲み、中の様子はまるで見られない。
真裏に行くと、綺麗な生垣に囲まれた細長い公園のようなものが続いていた。
行って見ると墓地だった。大きなお墓の前に、小さな石塔がずらりと並び、そこを四角く生垣が囲んでいる。学校の教室内の先生と生徒のような感じだった。
そのすぐ脇からは、新しい住宅が広がっているが、このお墓から、酒蔵、そして道路までは、まるで別世界だ。
暑いほどの好天の中、今日もついつい歩いてしまった。
駒形には数件の酒蔵があった。今残るのは町田酒造だが、もう一件あった辺りに行くと、古い木造の蔵と住宅があった。脇には小川が流れ、その小川の上流をたどるかのように行くと、古い住宅と資材置き場が。その先の小道も良い感じだ。
TVのF1も観たいのだが、暖かな陽気に誘われて、街並みの裏の畑の中の小道を歩いて、町田酒造へと向かったのだった。
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